かつて、海士町(島根県・隠岐の島)は7千人が暮らしていた恵みの島でしたが、「人口減少」と「財政危機」という深刻な問題に直面しました。
「このままでは島が消える」という状況にまで追い込まれたのです。
当時、海士町は102億円という返済のめどが立たない借金を抱えており、財政破綻の危機に瀕していました。
この困難を乗り越えるために、2004年には役場職員たちが給与カットを開始し、翌2005年には町長が50%、管理職が30%、一般職員も最大30%という驚異的なカット率を実施しました。
この取り組みにより、総額2億円の削減に成功しました。
この成功の背景には、次の2つの重要な要素があったと考えます。
1. 元町民の「自分ごと」としての動き出し
都会に就職で出て行っていた元町民が、故郷の危機を目の当たりにし、「このままではダメだ」という強い思いから、自ら行動を起こしました。
彼らは島の問題を「自分ごと」として捉え、積極的に関わることで解決に向けた動きを生み出しました。
2. 外部コミュニティからの情報収集と知識の持ち帰り
元町民は都会で得た情報や知識を活かし、島に新たな視点やアイデアをもたらしました。
より大きなコミュニティで得た経験や知識は、海士町の復興に大きく貢献しました。
この海士町の事例は、会社経営にも当てはまることが多くある様に思いました。
A:社員の主体性を引き出す環境作り
問題を「自分ごと」として捉え、主体的に動ける環境を整えることが、企業の持続的成長には欠かせません。
B:外部の情報や知識を活用する
外部コミュニティからの情報収集やネットワーキングを積極的に行い、それを自社に取り入れることで、新たな視点やアイデアが生まれ、革新的な取り組みが可能になります。
この海士町の復興の物語は、NHKの「プロジェクトX」に取り上げられました。
この成功事例を参考に、自社の課題解決や成長戦略にどの様に活かしていくか、中々示唆に富むお話しだと感じました。
おおたけ