『二宮金次郎の幸福論』致知出版社 中桐万里子著
二宮尊徳の七代目子孫である著者が、「おじいちゃんはこう思ってたんだなぁ」と身近に実在する人物として二宮金次郎の言葉に思いを馳せる本です。
その中から一遍をご紹介します。
【ナゾナゾには必ず答えがある】
「翁はこう言われた。今日は冬至だ。夜の長いのは天命だ。夜の長いのを嫌って短くしようとしてもどうすることもできない。これを天というのだ。さてこの行燈の皿に油が一杯ある。これもまた天命だ。この一皿で、この長い夜を照らすには足りないがこれまたどうにもならない。ともに天命ではあるが、燈心を細くすれば、夜半に消えるべき燈火も夜明けまで持たせることができる。これが人事を尽くさなければならない理由だ。」(『二宮翁夜話』29)
ついつい、自身ではどうしようもないことを「問題だ」「難しい」と考えてしまいがちです。
出会った相手の性格や発言、生まれた時代の状況や社会の世相、できごとが起こったタイミング、与えられている役職や責任、受けてしまった病気や体質などなど・・・。
自分一人の力ではどうにも動かせないことにこそ、なぜだか固執してしまいます。
けれど、それは金次郎のいう「天」のできごとかもしれません。
どうしようもないことに拘り過ぎて思い悩むのではなく、「じゃあこうすればいいじゃん!」と別のアイデアを出すことが良いと考えさせられる文章でした。
おおたけ